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3つの価格設定方法(価格決定・プライシング)

Date: Category: 戦略・企画
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プロダクト開発において、言うまでもなく価格設定は重要です。プロダクトがいかに優れていようが、価格が適切でなければ販売することは難しいでしょう。特に近年では市場の変化スピードが早くなり、サービスにも独自性を求められることから以前にも増して価格設定が複雑になってきている言われています。

今回は今一度基本に立ち返るために、一般的に言われる有名な3つの価格設定方法についてまとめます。プロダクトの価格設定の際に是非参考にしていただければと思います。

※わかりやすいように統一してWebコンサルティングサービスを例としてあげていますが、弊社サービスの料金形態とは一切関係ありませんのでご了承下さい。

価格設定(価格決定・プライシング)3つの方法

3つの価格設定法

価格の設定方法には大きく、「競合基準法」「コスト基準法」「マーケティング基準法」の3つがあります。

競合基準法を分類すると「市場価格追随法」「プライスリーダー追随法」「慣習価格法」の3つに分けられ、コスト基準法を分類すると「コストプラス法」「目標利益法」に分けられます。また、マーケティング戦略基準法は「価格差別法」「名声価格法」の2つに区別できます。

それぞれ順番にご説明します。

競合基準法

競合基準法とは、すでに市場に存在する競合他社が設定した価格を基準に価格決定を行う方法です。他の2つの価格設定法よりも、顧客に受け入れられやすいという特徴があります。

競合基準法

競合基準法は「市場価格追随法」「プライスリーダー追随法」「慣習価格法」の3つに分類されます。

市場価格追随法

市場価格追随法とは、すでに市場に出回っている近い商品を基準に価格の上下を設定する方法です。市場調査などの作業を省ける非常に手軽な価格設定法ですが、戦略性にかける面も指摘されます。

自社のプロダクトに差別化要素がある場合、市場価格よりも高い価格設定が可能であり、逆にクオリティ面が低いものであれば、安く設定する必要が出てきます。

例:市場価格追随法で高度なWebコンサルティングサービスの価格設定を行うケース

Webコンサルティングの市場において、調査を行った結果同一サービス提供企業の価格設定が以下のような金額だったと過程します。


 ◯ 競合A社 価格:400,000円

 ◯ 競合B社 価格:500,000円

 ◯ 競合C社 価格:550,000円

 ◯ 競合D社 価格:350,000円


市場価格追随法_事例



この場合、市場平均価格は450,000円です。

自社のWebコンサルティングサービスに他社にない差別化要素がある場合その分をプラスさせます。この場合高度なWebコンサルティング(何をもって高度かはさておき)サービスであるため、その分の金額を上乗せし、500,000円と決定します。

この一連のフローが市場価格設定法となります。

プライスリーダー追随法

プライスリーダー追随法とは、業界においてシェア率が高く価格変動にたいする影響力が大きい企業が存在する場合に、その企業の設定価格に合わせて価格を決定する方法です。一般的に市場におけるプライスリーダーの力は強く、価格設定含め様々な面で信頼を集めているため、大きく異なる価格設定をすることは得策ではありません。

価格の変動に対し柔軟な市場である場合、プライスリーダーよりも低めの金額設定をしたほうが販売数が伸びやすい傾向にあります。ただしプライスリーダーは同時にコストリーダシップも握っている可能性があるため、安易に価格競争に陥ると勝てない可能性も大いにあります。

価格設定もそうですがプロダクト販売において先駆者企業が存在する市場の場合、差別化・コストダウンへの企業努力が勝負を決します。

例:プライスリーダー追随法で高度なWebコンサルティングサービスの価格設定を行うケース

Webコンサルティングサービスには現在高シェアの企業は存在しませんが、仮に市場シェア70%を握る企業があった場合を想定します。(一昔前のEFO市場やDSP市場がそれにあたると思います。)


 ◯ 競合A社 価格:400,000円 シェア率:70%

 ◯ 競合B社 価格:500,000円 シェア率:10%

 ◯ 競合C社 価格:550,000円 シェア率:5%

 ◯ 競合D社 価格:350,000円 シェア率:15%


プライスリーダー追随法_事例

上記のように圧倒的シェアを誇る競合他社(このケースでは競合A社)が存在する場合、その企業の価格をベースに考えます。競合A社は400,000円と価格設定をしているので、明確な差別化要素がない場合この価格と同じ金額もしくは少し安めに設定するのが基本です。

ただし今回の提供商材は「高度なサービス」であるため差別化要素を明確にしたうえで、同じ程度もしくは少し高い金額設定にすると市場から受け入れられやすくなります。

したがって、400,000円~450,000程度の価格設定が無難であると考えられます。

慣習価格法

慣習価格法とは、そのサービスが今までどれくらいの価格で売られていたかを基準に価格設定する方法です。もう数年、数十年とその価格帯で売られている伝統的な価格帯が存在する場合にこの慣習価格法は多用されます。

例えばペットボトル飲料は150円前後ですし、ラーメンは800円前後で長い間売られてきているため消費者の感覚がそこに定着しています。ここまで定着している金額が市場に存在する場合、別の金額帯で販売するのはかなりリスクを追うことになるため、慣習価格は非常に影響力がつよいと考えられます。

慣習価格法で注意しなければならないのは、定着した慣習価格がある場合その金額帯よりも安く販売しても販売数が伸びない傾向にあるということです。慣習価格は消費者の価格感覚を鈍感にさせるため、もっと安く買いたいという意欲を減らしてしまいます。それ故慣習価格が存在する市場においては質の高いものを高い価格で販売する戦略のほうが一般的に成功しやすいと言われています。

コスト基準設定法

コスト基準設定法とは、自社が追うコストを軸に価格を設定する方法です。経営の視点で考えた時にもっとも利益モデルを設計しやくす、多くの企業がコスト基準の設定方法を採用しています。しかし、市場や競合、提供価値の要素が価格に反映されにくいため本質とそれた価格設定にならないよう注意が必要です。

コスト基準法

コスト基準法は「コストプラス法」「目標利益法」の2つに大きく分類されます。

コストプラス法

コストプラス法とはシンプルに言うと、製造・販売管理コストに利幅を付ける価格設定法です。非常にシンプルで多くの商品がこの方法を軸に価格決定されています。

コストプラス法は以下のような式で表すことができます。


 ◯ 価格=直接費(変動費)+販管費(固定費)+利益


この場合の直接費とは生産量に直接影響する費用であり、原材料費・労務費・物流費などがここにあたります。それに対し間接費とは生産量には直接影響しない費用のことで、販促費、広告費、人件費、研究開発費、税金などがこれに含まれます。

例:コストプラス法で高度なWebコンサルティングサービスの価格設定を行うケース

Webコンサルティングサービスの場合、直接費のほとんどがコンサルタントの人件費(労務費)となります。間接費の部分は他業界のプロダクトとかわらず、販促費・広告費・研究開発費といったところでしょうか。

1つのプロダクトあたりの直接費・間接費を求める必要があります。今回は1つのコンサルティングサービスを提供するための直接費が200,000円、間接費が100,000万円かかるとします。

続いてそこに得たい利益分を上乗せします。この場合、目標とする利益率をベースに上乗せ分を考えるのが一般的です。利益率を25%とすると、利益は100000円となります。

したがって、直接費200,000円+間接費100,000円+利益100,000円=販売価格400,000円となります。

コストプラス法

コンサルティングは人そのものが商品になるため、変動費と固定費の区別がつきづらいですが、上記のような構造で大枠ズレはないと思います。

参考:メーカーではなく小売・代理店の場合はマークアップ法が用いられる

今回取り上げている価格設定方法は自社プロダクト販売における価格設定方法であるが、自社プロダクトをもたない場合(小売や代理店)の場合はマークアップ法が一般的に使われます。考え方としてはコストプラス法に近いですが、小売や代理店は製造を行わないため利益構造が多少異なります。

マークアップ法は以下の計算式で表すことが出来ます。


 ◯ 売値=仕入れ原価+販管費+利益


仕入れ原価に対し、販売管理費と営業利益をプラスする利益構造です。販売価格を下げずに、以下に販管費を下げられるかが多くの利益を生むポイントとなります。

目標利益法(損益分岐点法)

目標としている利益構造を軸とした価格設定方法です。想定される損益分岐点からコストや販売数などを決定し、価格に反映させます。

目標利益法(損益分岐点法)は以下の様な式で表されます。


  価格=総費用×(1+目標利益率)/目標販売数


この価格は目標販売数ありきで考えられます。最初に目標とする販売数を決め、その次にそれに必要な総費用を算出します。その総費用に対し目標とする利益率を掛け算して、利益を含めた総価格を決定します。その総価格を目標販売数で割り算することでプロダクト1つ当たりの価格を導きます。

コストプラス法と違い、どれくらいで損益分岐点を超えるかなどプロダクトの将来的な成長にフォーカスした価格設定になります。特に新規事業立ち上げの際には、最初の損失がどれくらい金額になり、どれくらいの期間で回収できるのかは死活問題ですので損益分岐点法は非常に重要になってきます。

なお、損益分岐点の考え方については以下の図にまとめます。

損益分岐点図

 

例:目標利益法で高度なWebコンサルティングサービスの価格設定を行うケース

目標利益法で価格設定を行う場合、まず目標販売数を決める必要があります。今回は例として、100件販売していくことを目標とします。

続いて、100本販売するために必要な総費用を算出します。コンサルティングの原価に当たるのはほとんど人件費ですので、その費用プラス固定費(広告費、減価償却費、研究開発費)となります。今回は例として、100本販売における費用は3,000,000円かかるとします。

続いて、目標利益率を定めます。市場・競合の調査結果を踏まえ自社プロダクトに期待する成長度合いに合わせて慎重に決める必要があります。当然利益率は多いにこしたことはありませんが、その分顧客に受け入れてもらいづらくなります。突き詰めると答はないため、非常に難しい作業と言えるでしょう。今回は総価格に対し利益が25%生まれることを想定し、目標利益率を0.33と定めます。

目標販売数と総費用・利益率が定まれば後は計算式に則って1つ当たりの販売価格を算出します。


 ◯ 目標販売数:100件

 ◯ 総費用:30,000,000円

 ◯ 目標利益率:0.33…  (総価格に対し利益が25%生まれるように設定)

 ◯ 総価格:40,000,000円 (総費用×(1+目標利益率) ⇒ 30,000,000×(1+0.33…)=40,000,000)

 ◯ 販売価格:400,000円 (総価格÷目標販売数 ⇒ 40,000,000÷100=400,000)


上記のように、1つ当たりの価格は400,000円と決定されます。

定めた金額で目標販売件数に到達するまでの各指標を表にすると以下のような数値になります。(計算しやすいように変動費の割合を総費用の3分の1として計算しています。)

▼損益分岐表 (単位:万円)

販売件数 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
売上高 400 800 1200 1600 2000 2400 2800 3200 3600 4000
変動費 19 37 55 73 91 109 127 145 163 181
変動費累計 19 56 111 184 275 384 511 656 819 1000
固定費 2000 0 0 0 0 0 0 0 0 0
固定費累計 2000 2000 2000 2000 2000 2000 2000 2000 2000 2000
総費用累計 2019 2056 2111 2184 2275 2384 2511 2656 2819 3000

したがって、損益分岐点は販売数が60件の時点で迎え、損益分岐点売上高は約2,400万円となります。

なお、一般的なWebコンサルティングサービスは数ヶ月から1年契約のランニングコスト型のビジネスモデルですもっと複雑になりますが、上記は仮に単発商材だったとして計算をしております。

マーケティング戦略基準法

マーケティング戦略を重視した価格の設定方法です。コスト基準法は自社のコストを軸とし、競合基準法は市場や競合企業など既存の外的影響力を軸に価格を決めるのに対し、マーケティング戦略法はその名の通りどのようにマーケティングしていくかの戦略を軸に最適価格を定めます。

また市場が出来上がっていない新規サービスやスタートアップにおいて、マーケティング戦略法によってどれだけ最適価格を導けるかがサービスが生き残るかどうかの大きな要素になります。

マーケティング戦略基準法

マーケティング戦略基準法は「価格差別法」「名声価格法」の2つに分類されます。

価格差別化法

顧客に対しそれぞれ別々の価格を設定する方法です。A社に対しては提供価値が低いため10万円、B社に対しては提供価値が高いため25万円のような価格決定の仕方になります。この時顧客の「支払い意向金額」にあわせるのが価格差別化法の基本原則です。言い換えれば、顧客に対する付加価値をベースにする設定方法といえます。

顧客の業界や状況・成長フェーズなどの様々な要因から、提供サービスが同じでももたらす効果が変わるケースは往々にしてあります。そのような状況が顧客と合意が取れるレベルなのであれば、不公平さを感じさせずに料金の差別化が可能でしょう。

事例として、EFOサービスを展開するショーケース・ティービーのフォームアシストはUU毎に差別化された料金設定が見受けられます。

フォームアシストのプライシングページ【http://www.showcase-tv.com/formassist/introduction/】

例:価格差別化法で高度なWebコンサルティングサービスの価格設定を行うケース

Webコンサルティングサービスにおいて顧客ごとに金額が変わることについて自然に合意が取れるケースは非常に稀ですが、例えば以下のようなindex数による差別化は現実に行われていたものです。

index数 料金
~100 ¥100,000
~1000 ¥200,000
~10000 ¥300,000
10000~ 別途お見積もり

index数とWebプロモーションの効果(特にSEO効果)は比例することも多いですし、index数が多ければ多いほどSEOその他もろもろの施策にかかる手間も大きくなるのでこの差別化は一つ選択肢としては有りかもしれません。顧客側の心理としても、サイト規模によって料金が変わることにはある程度納得感があるかと思います。

近年ではこういった差別化はあまり見かけなくなりました。コンサルティングサービス自体が多くの顧客に受け入れられるようになったため、こういった差別化はあまりみられず顧客ごとに料金を定めないパッケージ商品が増えたのでしょう。

名声価格法(プレミアムプライシング)

価格敏感層にたいしては安く、価格に対し鈍感な層には高いプランを選んでもらうような価格設定方法です。例えば2つプランがあったとして、1つは通常プラン・2つめはプレミアムプランとします。この時点で「プレミアムプランのほうがいいものっぽいな」という気持ちになるから不思議です。

ただし当然の事ながらプレミアムプランは通常プランよりも品質が高いという保証ができる必要があります。

事例として、ABテストで高シェアを誇るKAIZENPlatformのplan-BCDは名声価格法を軸とした価格設定が見受けられます。

plan-BCDのプライシングページ【https://kaizenplatform.net/pricing】

例:名声価格法(プレミアムプライシング)で高度なWebコンサルティングサービスの価格設定を行うケース

まず名声価格法を用いる場合は、高度なWebコンサルティングサービスの他にも、比較対象として従来どおりのコンサルティングサービスを商材化する必要があります。(高度なものが提供できるのであれば恐らく可能かと思います。)

2つのコンサルティングプランを同時に見せた時に、プレミアムプランのほうが明らかに質が高いのがわかるように商材設計・販売戦略を練ります。プレミアムプランは通常プランと比べ、1.2~2倍程度の価格設定がされるのが一般的です。

名声価格法

この場合価格敏感層(価格が低いほうが良いと考え、出来る限り安いプランを選ぼうとする層)は通常プランに流れますが、価格鈍感層(価格は二の次で、質の高いものを使いたい層)はプレミアムプランを選ぶ可能性が高くなります。他社との差別化が難しく販売障壁の高いコンサルティングのような無形商材においても、販売単価を高めることが出来るのが非常に魅力的と言えます。

実際コンサルティングサービスは担当コンサルタントや対応領域にによってパフォーマンスが変わるケースがあるため、こういった価格設計も面白いかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。3つの価格設定方法においてどれが優れているというのはありませんが、どれが自プロダクトにあっているか慎重に検討する必要があります。また、場合によっては複数の方法を組み合わせて価格を決定するほうがメリットが大きい場合もあるでしょう。

今回は「高度なWebコンサルティングサービス」というあえて不明瞭な商材を例に取り上げましたが、僕個人の意見としてはこの類のサービスはマーケティング戦略法が一番しっくりきます。顧客に対し明確な品質保証が出来る場合は名声価格法が一番売りやすいでしょうね。販管費がかさみそうですが。

是非ご自身のプロダクトの価格設定・見直しの際に活用していただければと思います。

-カテゴリ:ビジネスモデル

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